準天頂衛星みちびきの精度評価 みちびきは本当にみちびいてくれるのか?
RaspberryPiとAndroidで,みちびき+GPSで測位した結果とGPSのみで測位した結果を調べてみました.
ざっくりまとめると...
- 準天頂衛星「みちびき」とは
- 実際に比較してみました
- 比較結果
- まとめ
スライド
この記事の内容はスライドがあります.
www.slideshare.net
準天頂衛星みちびきとは?
いつも位置を知るために使っているGPSとはアメリカが打ち上げた衛星です.
衛星が見えていることが前提であることから,都会のビルの合間や山間部などでは誤差が大きくなります.
そこで,日本が2010年から打ち上げた衛星がみちびきです.
常に日本の上空にいるように飛んでいるので,準天頂衛星として,日本国内の測位精度向上が期待できます.
測位の方法
測位のために準備したものは過去の記事で紹介しています.
使用したログは,みちびきが補足できたものを使用しました.
いずれも1秒間に1回測位しています.
比較結果
それぞれで計測した結果を QGIS でプロットして比較しました.
渋谷駅から表参道方面へ歩いて移動したログです.
渋谷周辺では,高層ビルで囲まれているため,どこを歩いていたかはよくわかりません.
どの歩道を歩いていたかの判定は難しそうです.
住宅街を歩いて移動したログです.
1階~2階の住宅が並ぶところでは,どちらもどっこいどっこいという感じです.
郊外のショッピングセンターで遊びつつ自転車で駐車場を駆け抜けたログです.
もはや従来のGPSのほうがいいかもしれません.
自転車で走っていましたが青色(みちびき含む)のログは茂みに突っ込んでいます.
考察
ここまで読んでいただけた方,お気づきかと思います.
現状ではあまり良くなっていないようです.
みちびきが補足できた角度など詳しく調べる必要がありますが,劇的な改善はありませんでした.
よくよく調べてみると....
どうやら高精度が得られるものは違うようです.
衛星測位サービスの精度は変わらないとのこと...残念.
衛星の打ち上げスケジュールでは,近々7台になるとのことで,すべて打ち上げ終わったときにはもっと精度が良くなっているかもしれません.
まとめ
- みちびきは従来のGPSとそこまで精度は変わらない
- より詳しく調べる必要はあり
- より高い精度が得られるのは「センチメーター級測位補強サービス」「サブメーター級測位補強サービス」を使う場合